廃車前の準備でするべきこととは？

愛車との別れは寂しいものですが、廃車をスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。車検証や書類の準備、車内の荷物の整理など、やるべきことは意外と多いものです。しかし、これらの準備をおこたると、思わぬトラブルが発生してしまう可能性もあります。本記事では、廃車前に必ず確認しておきたいポイントについて解説しましょう。

所有権を確認する

廃車手続きを進める前に、まず確認しておきたいのが車検証の所有者欄です。本人名義であれば問題ありませんが、所有者がディーラーやローン会社の場合は、所有権解除という手続きが必要となります。

所有権解除とは、車検証の名義を自分名義に移す手続きです。ローンで購入した車の場合、ローンを完済しても車検証の名義はディーラーやローン会社のままになっていることがあります。所有権解除をおこたったまま廃車手続きを進めると、廃車できないだけでなく、トラブルに発展する可能性もあるのです。

所有権解除の手続きは、陸運局に申請する必要があります。所有権解除の手続きは、自分で行うこともできますが、書類の書き方や申請の仕方がわからない場合は、廃車業者に代行を依頼することもできるので検討してみましょう。

廃車手続きと車検・自賠責保険の関係

廃車手続き自体は車検が切れていても可能ですが、陸運局への持ち込みには自賠責保険の有効期間が必要となります。車検が切れている場合は、事前に仮ナンバーを取得する必要があるのです。

仮ナンバーとは、車検切れや未登録の車に一時的な運行許可を与え、市町村が貸し出すものです。仮ナンバーを取得するには、車検証、自動車税納税証明書、自賠責保険証明書などの書類が必要となります。

また、手数料も発生します。仮ナンバーの有効期間は、最長で15日間です。もしi期間内に車検を受けなければ、再び仮ナンバーを取得する必要があります。

車検切れの状態で廃車業者に依頼する場合は、業者によっては陸運局への持ち込み費用や仮ナンバー取得費用が別途発生する場合があるのです。事前に見積もりを取ることをおすすめします。

さらに、廃車前に車検が切れてしまった場合は、車検を受ける、抹消登録をしてから廃車する、などの対応が必要となります。車検を受ける場合は、通常の車検手続きと同じです。抹消登録をしてから廃車する場合は、陸運局に申請する必要があります。

書類を早めに準備する

廃車手続きには、状況によって異なる書類が必要となります。一般的には、車検証、自動車税納税証明書、自賠責保険証明書、解体業者への委任状、印鑑証明書などが挙げられます。

これらの書類の中でも、とくに注意が必要なのが印鑑証明書です。多くの廃車業者は、発行から3か月以内のものしか受け付けていません。スムーズな手続きを進めるためには、早めに準備しておきましょう。

また、早めの準備が推奨される書類は、解体業者に手続きを委任する場合、委任状が必要です。業者が用意するフォーマットに必要事項を記入し、捺印しましょう。

さらに、所有者がディーラーやローン会社の場合は、事前に所有権解除の手続きが必要です。所有権解除証明書は陸運局で発行できます。

加えて、自動車リサイクル法に基づき、自動車リサイクル料金を廃車時に支払う必要があります。自動車リサイクル料金支払証明書は解体業者に支払うか、事前に納付証明書を取得しておきましょう。

廃車前に確認しておきたいそのほかのポイント

車検証の所有者確認、車検・自賠責保険の状況確認、書類の準備に加え、廃車前に確認しておきたいことはたくさんあります。これらの準備をおこたると、スムーズに廃車手続きを進めることができなくなったり、思わぬ出費が発生したりする可能性があるのです。

車内の荷物の整理

廃車前に、車内の荷物をすべて整理しておきましょう。車検証、保険証、ETCカードなどの貴重品はもちろん、忘れ物がないようにしっかりと確認してください。

パーツの取り外し

取り外せるパーツは、自分で取り外して売却したり、再利用したりすることができます。該当する部品はナビ、オーディオ、タイヤ、ホイールなどです。

ただし、後付けパーツの場合は、取り外しても問題ありませんが、車体に元々ついていたパーツを分解すると「解体」とみなされるため、注意が必要です。解体は、許可を受けた業者のみが行うことができます。

ガソリンの量

廃車する車には、ガソリンが残っている場合があります。ガソリンは引火性が高く、危険なため、廃車前に抜き取る必要があります。業者によっては、ガソリン抜き作業を有料で行ってくれる場合があるため、確認して見るとよいでしょう。

まとめ

廃車手続きをスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。まず、車検証の所有者確認と所有権解除手続きを行いましょう。次に、車検と自賠責保険の状況を確認し、仮ナンバーが必要な場合は取得します。必要書類の早めの準備も重要です。

とくに、印鑑証明書や委任状などは発行から3か月以内のものが求められることが多いため注意が必要です。さらに、車内の荷物を整理し、貴重品や忘れ物がないように確認し、取り外せるパーツは売却や再利用を検討します。

ガソリンが残っている場合は、安全に抜き取ることが求められます。これらのポイントを押さえることで、トラブルなく廃車手続きを進めることができます。

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